オタクなので看護師にも推しができてしまった。

虫垂カルチノイド/神経内分泌腫瘍(NET)と診断された人の治療録です。元気になるために(本当は暇つぶしのために)記録します。

カーテン1枚、おじさま、17個。

 

虫垂炎の術前検査の記憶がほとんどない。

 

とにかく患部が痛くて、技師に言われるがまま、検査台に乗ったり車いすから下りたりしていたように思う。

 

あれよあれよという間に

血液検査、インフルエンザ検査(発熱がみられたため)、CT、レントゲン、

歯科検査を受けた。らしい。

 

倒れたのが深夜であり、すっぴん髪の毛ボサボサおまけにブラジャーをしていなかったのが幸いした。もし真昼間に倒れ、

「メイク、ネイル落としてください。金属類は外してください。」と言われていたら、わたしは看護師を末代まで呪っただろう。ツイてたな、看護師さんヨォ。

 

とにかく、何もできないほど、記憶も曖昧になるほど痛かった。そんな中で受けた検査の記憶がほとんど残ってないのも頷けることと思う。

 

 

しかし、今回は違う。

 

来る再来週の手術に向け、またも術前検査を受けなければいけない。

 

今回は幸か不幸か、どこも痛くない状態でだ。つまり、記憶がはっきりと残る。

二つの検査を受けた。まずは、

 

胃カメラ

 

これは正直、2回目ということもあり大丈夫だろうと高をくくっていた。

前回は確か高校生のとき、十二指腸あたりに急激な痛みを感じ、地元の個人病院で診てもらったのだ。

左鼻から、入れた。

今回も、左鼻から入れた。

 

鼻から喉を通る瞬間だけちょっと痛い。あとは、管が胃の中を動き回る違和感と、鼻の痛みと、飲み込めない唾液の行き場を探すだけである。

 

カメラを入れる前に麻酔を飲んでいるため、頭がぼぅっとする。

 

(ねむいな・・・痛いけど、そんなことよりねむいな・・・)

 

そう思っていると、さっきまで静かだった先生がいきなりそこそこの声量を出した。

 

「ポリープ、ポリープ。」

 

助手も復唱する。

 

「ポリープ、ポリープ。」

 

・・・危ない、わたしも復唱するところだった。(飲食店バイト経験者あるあるかもしれない)

・・・え?ポリープ?それって腫瘍じゃね?大丈夫?

内心ちょっと焦っていると、ドゥルン!と派手な音を立てて鼻から管が抜けていった。なんとか検査が終わったようだった。

 

 

麻酔が抜けきらないまま、説明室へと案内される。麻酔のせいで喉の感覚がなく、唾液は飲み込めないわ声が出ないわで本当に苦しかった。しかし、わたしの脳内は「ポリープ」で埋め尽くされている。

 

そして、担当医の説明が始まった。

 

 

「うん、綺麗な胃だったよ」

 

嘘つけい!!!貴様さっきポリープ言うたやろが!!!!!

 

ポリープが2個あったけど、手術は受けられます。」

 

え?ほんと?てかそのポリープは良性?良性なのね?

 

不安に思っているわたしの気持ちを知ってか知らずか、カーテン1枚で仕切られたお隣の説明室から患者のおじいさんのものらしき大きな声でこう聞こえてきた。

 

 

「なんじゃ、ポリープ17個かい。去年より3個も増えたわい!ガッハッハ」

 

 

≫次回は「地獄の大腸内視鏡検査」をお送りします。どうぞお楽しみに!