突然ですが、私には父がいます。
カルチノイドは、2cmを超えなければ転移の可能性が低く、基本的には抗がん剤ではなく切除術で治療するそうです。
へーとくんは昨年末に急性虫垂炎にかかり、虫垂を切除しました。中度の腫れだったかなぁ。
もう、この25年間、盲腸の先に健気にぶら下がっていた彼女はいません。
そう、いまのへーとくんには虫垂がないんです。
なのに、虫垂カルチノイド???
実は虫垂カルチノイドは、虫垂の先端にできることがほとんど。先端にあり、且つ直径が2cm以下ならば、虫垂を切り取ってしまえば、以後は定期健診で転移していないか検査するだけで問題ないんです。
しかし、わたしのカルチちゃんはそうもいかなかった。
虫垂炎で切り取った虫垂の断面に見つかってしまったんです。カルチちゃん。
つまり、もう片方の断面であるちょうど盲腸の部分に、まだ居座ってる可能性があるわけです。
なので、虫垂がないのに虫垂カルチノイドで手術するという状況に陥っているわけですね。これでわたしも、「虫垂ないのに虫垂カルチノイドなんですぅ~!なんつって!」という担当医もびっくりの虫垂ギャグが言えるってわけですよ。
突然ですが、私には父がいます。
ファーザーですファーザー。あなたにもいますか?
この病気が発覚し、地元にいる(へーとくんは数年前に都会に憧れて上京しました)ファーザーに電話したんです。
「せっかく腹腔鏡で綺麗に手術してもらったのに、今度は切開だよ」
と。
担当医はとてもうまい先生です。腹腔鏡手術といって、おなかに穴を3つ開けそのうち1つからカメラを入れてモニターしながら手術できちゃう先生です。
この腹腔鏡手術、術後の回復が非常に早く、傷跡も目立ちにくい方式とのことでミーハーなわたしもルンルンで受けました(嘘です)
しかし今度の手術はそうもいかない。なんたって大腸を切り取るんです。あ、言ってませんでしたね。大腸を切り取ります。
つまり、腹腔鏡ごときの、たった1cmごときの穴から
大腸がズルンッ!!!
ってワケにはいかないんです。
父は「俺の父さん母さんがガンだったから・・・ごめんなぁ・・・」
と、電話越しにちょっとグジュグジュしてました。老いたね。いつまでも優しいファーザーでいてほしいものです。
カルチノイドは、遺伝性のものではないそうです。
もちろん、性質や体質は遺伝します。けれど、カルチノイドは遺伝しません。
原因も、はっきりとはわかっていません。
悪性なのか、良性なのかもはっきりしません。
カルチ(ガン)ノイド(のようなもの)という意味なんです。
悪いのは病気であって、誰でもない。悪いのは、点滴が下手くそな新人看護師ではなくて、病気なんです。
へーとくん「お父さん、大丈夫だよ。わたしの虫垂も大丈夫って言ってる」
悪いのは、わたしの語彙力ではなくて、病気なんです。
おしまい。